第10回 まさみティーさん(同人音楽作家)


同人音楽作家、東方手書き作者。同人音楽サークル・オーライフジャパン代表。
2007年12月19日、『【初音ミクコミケのラブソング【替え歌】』でニコニコ動画デビュー。
2008年には東方アレンジCD『東方奔放戯』を上梓し、以降東方projectのアレンジミュージックを精力的に制作している。
ニコニコにおいては、エスニック系・メタル系のアレンジでファンが多い。
自他共に認めるおっぱいスキー。
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ヤマメちゃん……靴下を煮込んで食べたい。

音楽と東方の出会い


──というわけで、今回はオーライフジャパンのまさみティーさんにお越し頂きました。
まさみティー:よろしくお願いします。いや、びっくりしました。


──と申しますと?
まさみティー:今までのインタビューを見ていると、手書き作者のかたが主だから、そういう人が対象なのかと思っていまして。


──あ、そうなんですか。いや、手書き作者の方以外にもいろんな人に話は聴いてみたいんですけど、私の前提知識があんまりないのがネックでして……お話作りだったら私も色々聴けるんですけど、そうじゃないジャンルで活動されている人にちゃんとインタビューができるかな、と不安もあったんですよね。
まさみティー:いや〜私も音楽の知識はあんまりないので…。


──いやいや(笑)。至らないところ多々あると思いますが、よろしくおねがいします。現在は東方アレンジを中心に活動されている、オーライフジャパンですが、以前は別の活動もされていたんでしょうか?
まさみティー:いや、同人CDで活動するのは元々東方だけにしようかな、と思っていましたね。


──音楽アレンジ自体は、東方がスタートではないんですよね?
まさみティー:音楽のきっかけは話し始めるとまた長いんですけど。東方projectは……確実に永夜抄より前からプレイはしていましたねー。多分紅魔郷の体験版とかから遊んでたと思います。音楽制作は16年くらい前から始めて、2000年に入る前にはホームページはあったけれど、それより前からも公開したりしてましたから……97年くらいから活動はしてたのかなぁ。


──97年というと、私はまだ6才ですね。
まさみティー:うわーぁ(笑)。世代格差……。


──ノストラダムスに怯えてたくらいの記憶しかないです。
まさみティー:懐かしい(笑)。


──その頃にはもう音楽系の活動をされてたんですね。
まさみティー:ですね。父の買ってきた音楽関係のソフトや機材に影響されたと思います。ちなみに、母親のほうは美大を出ていたのでそっちにも影響されて、うちの兄弟は3人とも油絵くらいは描いた経験がありました。でも結局続いたのはエビゾメだけでしたね。


──幼い頃から、既に絵も音楽にも興味があったんですね。
まさみティー:こういうとき親の影響は大きいなと思うんですけど、モノを持ってるかどうかっていう時点で色々決まったりすることもあると思うんです。家にギターがあったからギターを好きになったり。仮にギターに憧れるようになるとしても、知識がないとどうしようもないじゃないですか。私の場合も、DTM*1がまだ一般に認知されていない、早い時期から手元にあったりしましたから。


――本当に親の与えてくれたものっていうのは後々まで影響していきますね。DTMに最初に触れたときは、どのような感じだったんですか?
まさみティー:うちの父親はいわゆるパソコンオタクでもあって、私が2歳の時にゼビウスが入ったPC88*2をすでに所持していたほどだったんですが、PC98の次世代OSとしてwindows95が発売された当時、SC-88Proっていう音楽ハードを、突然買ってきたんです。これはなんていったらいいのか、キーボードのないシンセサイザーなんですが、当時はいろんな人が使っていた人気のハードウェア音源モジュールで。そんなものがうちにポンッと飛び込んできたんですよ。そのときに私達兄弟が興味を持つか持たないかっていったら、まぁみんな興味津々で、必死にみんなで取り合いしていました。それが10歳くらいの頃ですね。


──なるほど……では、東方を知ったきっかけはどういうところからでしたか?
まさみティー:たぶんこれはかなり早い時期からだと思いますね。PC88〜PC98の頃に、bio_100%*3っていう、フリーゲーム制作グループがあったんですが、その人らの作ってた縦シューティングとか横シューティングが、子供の頃ハマったゲームだったんです。そのかわり、スーファミとかの家庭ゲーム機にあんま触れて無かったので、いわゆる不朽の名作みたいなゲームはあまりやってなくて、ぷよぷよ*4をPC98でやってはいても、スーファミではやったことない、っていう妙な少年時代を過ごしました。


──なまじ専門的なモノがあったせいで家庭ゲーム機はプレイされてなかったんですね。
まさみティー:そんな状況のまま、windows95に移行したときに、当時シューティングゲームをやったことあるひとなら大抵知ってる『Shooting Game (仮)』*5ってゲームと出会ったんです。画面はシンプルなんですけど、音楽がすごい良いゲームで。このゲームがきっかけで、色々フリーゲームがあることを知って、クリーチャージャングル*6とか、神威*7とか色々プレイして……さっきからシューティングゲームしてたって話しかしてないですけど(笑)。まぁそんな感じでシューティングゲームばっかり相変わらず追っかけてたんですが、その中のひとつに、上海アリスの名前もありました。もちろん東方projectの体験版もDLしてプレイしていたんですが、当時は子どもだったのでまだ萌えキャラとかにはそんなに興味が無くて、体験版止まりでしたね。それが東方との初遭遇です。


──当時はおいくつくらい?
まさみティー:中学終わりか高校初めか…それくらいですね。


──となると、東方と出会ってから現在にいたるまでその時間はかなり……
まさみティー:長い、ですね。


──そこから東方を活動のメインにしていこうと思うのはまだまだ長いと。
まさみティー:2000年頃には、初期のM3*8っていう同人音楽イベントに一般参加したりしてまして、趣味工房にんじんわいん*9さんのオリジナル曲を聴いて、こういう活動をしてみたいなーと考えたり、同人での音楽制作に多少興味も持ち始めてました。なんですけど、当時高校生で、吹奏楽部の活動が忙しい時期でもあって。部活動も朝練があって、授業にも合奏が組み込まれていて、部活動が終わるのは6時だけれど8時まで自主練ができる上に日曜も自主練ができるよー! て感じのところだったんです。だから私もその頃は、職員室から鍵を先生に貸してもらって持って帰って、次の日朝一番に学校の鍵を開けて朝練してたくせに、学校が終わった後も、夜の9時から12時くらいにかけて近くの河原で楽器の練習をしているっていう(笑)。


―― 一日中吹奏楽漬けだったんですね。
まさみティー:そんな生活してたから、オタク界隈からも全然離れてしまってて(笑)。しばらく同人とは縁のない生活をしていました。本格的に同人音楽の制作に取り掛かったのは、上京してからのことですね。その上京直後の住居から更に安い、2万くらいで住めるアパートがあるって聴いて、思い立ってそっちに引っ越したのがきっかけでした。そのアパートが住人から『同人の暗黒トキワ荘』って呼んでいるようなところで、色んなクリエイターの人がたくさん住んでるところだったんです。


――暗黒トキワ荘ですか(笑)。
まさみティー同人活動でやってる人やプロでやってる人も含めていっぱいいるんですよ。そこで暮らしているうちにまー住人たちに影響されまして(笑)、同人活動やってみようか、という風に段々なっていきました。その頃、数年間見ていなかった東方projectのゲームを改めてプレイして一気にハマってたこともあって、東方の同人で活動してらっしゃるかたには、昔から知っている人がけっこういたので、じゃあ私も東方で同人活動をやってみようかな、と思い立ったのが2006年のことでしたね。


――本格的な音楽活動は東方の二次創作を始めてから、なんですね。
まさみティー:そうですね、東方以外にCDを出したこともなかったので、これからも別のジャンルで出していく予定は今のところないです。昔はサイトでボカロオリジナルも公開したりしてたんですけど。当たり前なんですけど、ボカロオリジナルは基本的にインスト曲がないんですよね(笑)。


――そうですね、ボーカル曲が作れるのが最大のウリですもんね。
まさみティー:昔から歌物は作りたいなとは思っていたんですけど、全然聴いてなかったので、作れるわけもなくって感じで。だからボカロでCD作るってことはこれからもないんじゃないかなあと思います。まだ使ってないボカロもあるのでまた単曲をアップロードしたりってことはあるかもしれないですけど。


――なるほど。大百科を見ると、アプリゲームの音楽も担当されたことがあるそうで。
まさみティー:アパートの住人の一人だった、日向恭介さん*10に、こういう感じのあるんだけど音楽の仕事してみない? とご縁で参加させていただいて。同人活動始める前にこういうのでちょこちょこっと経験を積んで、ソフトシンセの扱い方とかを覚えていきました。日向さんとは現在でも付き合いがあって、今も誘われたりしてるので、もしかしたらこれから先もこういうゲームを作ったりするかもしれないですね。

趣味は適当です。


――自分の音楽のスタンスに影響を与えたものってありますか?
まさみティー:味付けに影響がでてるのはリバーダンス*11っていうショーですね。8,9年前に日本公演を見て、これが原因でアイリッシュ*12系にハマりました。私の音楽はこのへんから来てますね。アイリッシュを派手なダンスに仕立てたっていうやつで、これをもうちょっと派手にロック*13にして、東方アレンジにしてみたいと思って作ったのが3枚目のCDでした。

ヨーロッパ全土で開催される盛大な音楽コンテスト『ユーロビジョン・ソング・コンテスト』において、初めて公開された『リバー・ダンス』。
アイリッシュ・ステップダンスという足の動きのみを使う、独特の舞踏を下敷きに、アイルランドの伝承や、歴史、様々な民族との交流といった壮大な物語を表現したそれは、幕間の『つなぎ』というだけのパフォーマンスにも関わらず大きな反響を呼び、後にグラミー賞を受賞するほどの大人気作品となった。


――アイリッシュ音楽がお好きなんですか。
まさみティー:いやー色々ですね。CDも色々買いますし、ジャンルもバラバラですね。クラシック*14のCDが一枚目に買ったCDで、そこから吹奏楽とか、ジャズ*15とか、エレクトロニカ*16とか、スカ*17……ドラゴンクエスト*18の激しい電子音のCDとかアニメのBGMもあるし、ボサノバ*19、レゲエ*20、ヒップホップ*21なんかもあるっちゃありますね。手書き作家の影響で倉橋ヨエコさん*229mm Parabellum Bullet*23とかのCDもありますし、メタル*24系もあります。昔のプログレ*25とか、ピンクフロイド*26ビートルズ*27Queen*28のCDもあるし……本当、なんでも適当に手を出している感じです。その代わりあまり一つ一つに詳しくはないんですけど……。


――ひとつのジャンルというわけではないんですね。
まさみティー:そういえば、昔から俺の嫁!っていうのも作らないほうでしたね。東方にハマる前はリリカルなのは*29にだだハマリしてたんですけど、特定の誰かだけが好きっていうことはなかったし……熱中することがないっていう言い方はアレですけど、どんどん好きなモノが際限なく増えて行って固定されないというか。


――東方のキャラや音楽にしてもそれはそんな感じですか?
まさみティー:ですね。こいしちゃんも好きですけど、誰が好きかと言われると、これだ!っていうのはないですね。地霊殿のキャラはほんとみんな好きです。音楽もあえて選ぶなら……ハレケかなぁ。あとは蓬莱伝説とか。いやーでもだいだいどれも好きだから……好きでない曲もないし……あえて言うならこれ短いなぁって感じる曲があるくらいですね。ヤマメちゃんの曲とか。まぁ、1面の曲は基本的に短いですけど。どのキャラが好きとかどの曲が好きとかはあんま意識したことがないですねー。


――ヤマメの曲はなんでしょう、序盤ボスっぽい熱さがありますよね。個人的には特攻隊長!ってイメージです。
まさみティー:けっこうヘビーな曲調なんですよね。ヤマメちゃん……靴下を煮込んで食べたい。


――お、インタビューの最初に持ってくる一文の第一候補がでましたね(笑)。
まさみティー地霊殿ののキャラクターならみんな食べたいですね、ふふふ。あでもキスメちゃんは履いてなさそうですね。直接舐めるかー。


――(笑)。地霊殿は実際のモチーフとなった神話や伝承がそんなになくて、ちょっと外れた感じなのが面白いと思います。紅魔郷とその辺は似てますよね。
まさみティー:妖怪と言ってもそうだし……空に八咫烏は入ってるけど、他は一般の妖怪としてのいわれだけで、本人自体にまつわる話があるわけじゃないですもんね。悟り妖怪に妹がいるってのも特徴的ですね。なんといってもみんな可愛い……足裏舐めたい……。

お絵かきの歴史


――絵も音楽と一緒にずっとやっていたんですか?
まさみティー:そうですね時々。それでも高校の頃はマウスで描いていて、高校時代にタブを持ったことはなかったんですけど、就職した頃に自分へのご褒美にインティオスのはがきサイズのやつを、おっきいディスプレイと一緒に買って、そこから本格的に絵かきを再開しました。


――まさみティーさんの絵はデフォルメすると顔がへちょっとなりますけれど、あれは元というか、だんだんなっていったんですか?
まさみティーPEACH-PITさん*30が描くデフォルメしたような、まあるい絵柄に似せて描いているうちにこうなっていきましたね。最初は本当におまんじゅう顔だったんですけど、それがまああれよあれよと際限なく横に広がっていってどうしようかと。


――動画をあげてみようと思ったのは? 最初の投稿作品はボカロですけど。
まさみティー:これは先程お話に出た日向さんに『コミケの歌』っていう、昔からコミケスタッフの間で言われてた替え歌を実現しようという企画で誘ってもらって、面白そうだったのでちょちょっと作ってみたのがそれですね。打ち込み自体も何も考えずに、とりあえず作ってみましたー!っていう仕様です。


――初期はボカロでしたけど、途中から音楽にあわせてアニメーションという形になっていきますね。
まさみティーうどんげの動画からですね。またこれも日向さんに、ボーカル曲をやってみないかという風に誘われて作ったものなんです。ボーカルの方まで紹介してもらって出来上がった初めての歌物なので、せっかくだし、わたしもちゃんとした動画を作ってみたいと思って作ったのがそれです。後のことを考えると永夜抄オンリーって私には珍しいですね(笑)。

音楽は絵より簡単だ!?


――音楽制作に使われるのはソフトはどういったものなんでしょうか。
まさみティー:使われている音楽プロトコルMIDI*31っていうものがありまして。音がいつ出るか、どれくらいの強さで出るか、どの音程で出るか、どこで終わるか、っていう4つの情報だけで出来ているシステムで、実は初音ミク含めて今のシステムって全部これで出来てるんですよね。


――そうなんですか。MIDIにはちょっと昔の技術、みたいな印象があったんですけども。
まさみティー:けっこうMIDI音源と今の音源は別々に考えられてることも多いですけど……。音楽ジャンルとか音色どうこうっていうんじゃなくて、音の出し方のルールみたいなもんなんです。私はそのMIDIのハードウェアのっていうのをずっと使ってて、ソフトシンセ*32になった今でも、使ってる技術自体はずっとMIDIのものですね。


――今でもMIDI系で作業されているかたは多い?
まさみティー:多いというか、MIDI音源でない音源って基本的にはないと言い切っていいくらい……あえて言うなら、元々あるWavファイル等を切り貼りして楽譜に貼り付けるタイプは、MIDIではない技術ですね。オーディオ編集。それくらいかな。初音ミクも声の鳴らし方自体は、MIDIに毛が生えたぐらいのもんですし……あとは、オーケストラ音源とかもそうなんですけど、奏法の変え方とかもやってることはMIDIと同じです。ボリュームコントロールとかと同じように、音のコントロール情報を送信したりして楽器変更の要領で同じ楽器の奏法を変えてる。リアルな音は出ているけど、基本的にやっていることは昔からあまり変わんないかなっていう感じです。


――歌物を作るとなるとまた変わってくるんでしょうか?
まさみティー:昔は音楽と声を組み合わせるだけで8万くらいの機器が必要でしたし、そもそもマイクとか歌を録音する機材自体がなかったんです。最近はソフトウェアと、マイクと、マイクプリアンプと、オーディオのプロ用の機材含めて1,2万くらいでぽんっと出てたりして、本当敷居が低くなったなぁと思います。楽器の録音もやりやすくなりましたし。同人サークルにおいては、ここ10年で1番何が変わったかって言ったら、バンド系のサークルが超増えたっていうのは言い切れると思います。昔はボーカル曲を出すとなったら大手のイメージが強かったですけど、今はボーカルでないサークルのほうが珍しい感じに(笑)。


――具体的にまさみティーさんはどんな環境で作業されてるんですか?
まさみティー:OSはMAC*33を使っています。制作に使っているのは、DAW*34っていうのが音楽制作の基本的なソフト。ここにMIDIや音声ファイルをはっつけるのが音楽制作のメインになります。で、絵描きさんのソフトと違ってちょっとめんどくさいのは、DAWの中に音を鳴らすソフトがあって、これをソフトシンセっていうんですが、ソフトシンセの種類でどんな音が出るのか変わってくるんです。DAWに最初から組み込まれているソフトとは別に、例えばチップチューン*35専用のプラグインとかを外部から導入して組み込むこともできるんです。これがちょっと特殊。ソフト一本で完結してないようなところがあるって感じです。



――カスタマイズの幅が広いんですね。
まさみティー:モノがちょっと大規模なのがめんどくさいところで、それなりにお値段もします。例えばオーケストラなんかは安いものだと1,2万円くらい、10万単位のもあれば、フルオーケストラが入ったパッケージだと100万いったりすることも……。


――うえぇ!? そんなにするんですか。
まさみティー:そんなに買っても、オーケストラ以外の音源は何も出てこないですからね(笑)。


――警告音の制作動画を拝見しましたが、販売されているものとなるとそんなものでもかなりお高くなるんですね。
まさみティー:フリーでもあったりするんですけど、効果音全集とか使い出すと、それ自体が高かったりします。他にも、例えばドラム音源一つにとってみても、DAWの中に標準で一応入ってはいるんですけど、専用のだとモノがぜんぜん違うんですよね。プロの人が叩いた音自体もすごく良い数十ギガバイト分のファイルが山のように入ってて数万円くらい。それだけいれちゃうとドラムだけ良くなっちゃうので、他のやつも全部まとめてオーケストラ分いれようとすると、さっき上げたような値段になるんですよね。


――なるほど、あの値段設定も法外なわけではないと……。
まさみティー:後は、左右に音をふったりするのにまた違うプラグインが必要になったりもします。特定の低いところ上げたり高いところ下げたりできるイコライザーっていうやつとか、音量の大きくなりすぎるのを押さえたりできるコンプレッサーとかあるんですけど、これも高い。同じ会社が数万単位のものをぽんぽん出しまくっていて、こういうのにお金かかってる人も多いですね。ずっと使うとなれば安いと考えることもできますが、こういうのを導入しだすと際限なくなっちゃいます。


――コピックがン十万くらいするとか、そんな感覚ですか。
まさみティー:フォトショのフィルターだけ入ってン十万って感じですね。ブラシツールとかなしで。そんな世界。


――音楽制作はお金がかかるんですね。感覚が麻痺しそうです。
まさみティー:例え録音派でも、エフェクターを導入してお金かかったりしますからね。料理で例えるとわかりやすいかもしれないです。食材自体にとってもお金がかかるんですけど、それだけ食材の味がモノを言う。その味の圧倒的たるや、技術の差を埋められるくらいの力があったりするんです。絵となると、5000円のSAIと10万円のフォトショップを比べて、ソフトの違いだけでどれくらいの差がでるかといえば、弘法筆を選ばずと言ってしまえるくらいのものだと思うんですけど、音楽は違う(笑)。それくらい素材さんが強いんです。それでも最近は値段が安くて音が良いっていうのがたくさんでてきたからいいけど、昔は高級食材となると完全にプロしか手が出せない世界でしたね。マシンパワーが上がってきたから、個人でもなんとでもなる時代になってきた。アマチュアでもクオリティが上がってきてるのはそういうところもあると思います。グラフィックの世界で例えるなら、個人で3D作ったりするのと似た状況ですね。昔は例えばスクウェア・エニックスの映像に強いコンピューターが作ってたのと同じレベルのものが、今は個人のPC一つで再現できるようになってきましたから。


――作りやすい時代になってきてるんですね。
まさみティー:反面、なんでもありすぎるから何から始めればいいのか、っていう状況にもなってきてますけどね。


――まさみティーさんは、実際にはどんなふうに制作されてるんですか?
まさみティー:音楽の作り方って人によってほんとばらばらで、楽譜が読めない人までいるんですね。ギターでこんな感じで〜って弾きながら曲を作ってて、バンドを率いてインディーズとしてライブもしてるんだけど、自分の曲がどういう音譜で構成されてるのか全くわからないという。そういう人からCD音源を渡されて、ここから楽譜作ってくれませんかっていう依頼を受けたこともありました。理論的な人から感覚的な人まで色々です。私はと言えば、それを半々くらいですかねー。


――ちゃんと組み立てることもあれば、なんとなくで出来る事もあると。
まさみティー:あんまり理論は勉強してこなかった部分があるので……。アイリッシュ民族音楽を普段から色々聴いているので、そっからちょくちょくどういうのが作りたいか、どういうのが聴いてみたいか、こういうのが面白いんじゃないか、自分が聴いててこういうのだったらいいなっていう感じで決めていきます。とは言え、色んなものを聴きながらどんどん好きになっていくので、こんなの作りたいなーって思ったら、あとはぴょんぴょん飛び跳ねて体からどばどば落とす感覚でつくってますね。作りたくなったらなんか作る! 思いついたら採用する! そしてなんかぼとぼと落とす! そういう意味では自分に求められている音楽とかもあんまりわかってなかったりして……音楽作家としてそれはどうなのって思ったりもするんですけど(笑)。まー自分で聴いてイケてるんじゃないかなーと思えたらそれでいいかなーと思って作ってますねー。良し悪しの判断が自分になると、どこでおかしくなるのかわかんなくなるのが怖いですけど。ほんと適当です。


――エビゾメさん*36とまさみティーさんは、直にお会いして、そのへんのスタンスもまた違うんだろうなぁと思ったりしました。
まさみティー:キャラクター自身も全然違いますからね私達。双子設定でよくあるやつです、ギャルゲみたいな(笑)。私は音楽はおしゃれな感じとかプロっぽい感じじゃなくても良いやって、わかりやすい楽しさ絶対主義で作ってるところがあります。楽しくできれば、音楽的に細かいところがダメでも、まぁいいんじゃないかなとそんな感じで作ってます。


――エビゾメさんは講座とかを見ると完全に理詰めですよね。
まさみティー:理詰めタイプですね〜。全然勉強できないタイプなんですけどねあれで。昔から不真面目の塊みたいな奴だったんですけど、中学校の頃から面白おかしい文章を書いて読書感想文で賞をとったり、そういうところで他の人と違う活躍のし方をしたりしてるんですよね。そういうのがやっぱり彼の特徴かなぁ。普通の人と違うところにアイデアがあるのかもしれないですね。


――ちなみに、ひとつの曲を作るのにはどれくらいの時間がかかりますか?
まさみティー:三週間かかることもあれば、一日に二、三個作っちゃうこともありますね。今作ってるのは一週間くらいかかってるかな。


――曲によって制作時間は違う感じですか。
まさみティー:運が良かったらガンガンさくさく作れますね。速い時は速いし、遅い時はどうしようもなく遅いです。


――音楽制作の現場をよく知らないんですが、以前ZUNさんがNHKの番組でインタビューされてた時に、一曲につき五時間くらいかなっておっしゃってたので、そんなものなのかなと思っていたのですが。
まさみティー:ZUNさんは置いてる音の量もめちゃくちゃ多くて、普通の同人音楽よりよっぽど時間がかかりそうな作業量だと思うんですが、速いんですよね。そして、速いのは正義です(笑)。


――この曲を一週間作り続ければ完璧になるのかもしれないけど、その一週間の間に絵やテキストなどの他の作業ができるから、100%の完成度じゃなくてもそこで止めるらしいですね。
まさみティー:95%のところで止められるってのは凄いですよ。どの時点が完璧かって、案外わからないものですからね。例えば、一万円のヘッドホンと十万円のヘッドホンがあって、その差がどれほどのものかということを考えると……費用対効果を考えて、一万円のほうを取って他の物を買うという選択肢はもちろんあります。何を選ぶか、というのはそれによって他の何かが犠牲になることを考慮すると重要なポイントです。私はこだわりに時間をかけちゃうところがあるので、その辺をもっとさささーっとやりたいなぁと思ってるところはあります。


――曲を作るっていうのは、絵を書いたり、文章を書いたりするのと同じ感覚で成長していくものなんでしょうか?
まさみティー:基本的に同じだと思いますね。私は今まで努力した覚えがあまりない人間で、どんなふうに成長してきたのかとか、まったく覚えてないんですけども。だから、音楽の作り方を教えようとしても、なんとなくやれば大体できるよ、としか言えないんですよね……。


――音楽と絵、両方やっていて感じる違いってありますか?
まさみティー:音楽は色んな要素がありますね。絵だったら人物だけを描いて終わらせても作品になりますけど、音楽はメロディだけ作っても、とてもじゃないけどそれでジャンルとして確立させることは殆どないです。なので、音楽はある程度全部できないと形にしづらい。そのかわりといっちゃなんですけど、作業自体にそこまで時間はかからないので、身に付けるのは簡単だと思います。絵の背景を描けるようになるより、音楽の伴奏を作れるようになるほうが、難易度は低いでしょうね。私自身が身にしみて感じてます(笑)。どっちもやってると、絵のほうがすごい大変だよなぁと。音楽は、強烈に時間かけた分だけの完成度っていうのが、絵に比べるとそんなに記憶にないですね


――やった分だけ結果に現れるのが絵だと。
まさみティー:反面、絵はまったく自動化されていないところもあるかなと思います。全部自分の手でやらなくちゃいけないっていう要素が、音楽は絵と比べるとそこまで強くないんですよ。例えば、ドラマの『ライアーゲーム*37のテーマ、あれは元々あるフレーズをそのまま置いてるだけだったりするんです。もちろんまとめる部分は作り手の技術が必要なんですけど。別の例を出すと、3倍アイスクリーム!*38って有名なのがありますよね。あれは沢山ある声ネタのうちの一つの音声ファイルなんです。あとは、『踊る大捜査線*39のあの有名なメインテーマの入りのメロディとかも、昔のレコードをそのまま貼り付けてるだったりして。


――音源を利用するのは知っていましたが、メロディやフレーズ自体も元あるものをそのまま使ったりするんですね。
まさみティー: 音素材は基本的に有料で販売されていたり無料で公開されていたり、音素材と分類していいのかわかりませんけど、ソフトシンセのアルペジエイターになっていたり。それらがいざそのまま使ってるのを聴いた時に、ああプロでもやっぱりまんま使ったりするんだなぁと思いましたね。


――さっきの音源の話と同じように絵で例えると、例えばSAIのブラシとか、背景の質感とか、パターンとか、他人が作って公開しているものを借りてるっていう感じですか?
まさみティー:そちらがプレイバックサンプラー型のソフトシンセだとすると、言うなれば、3Dモデルを自動的にコミック用に変換してくれるサービスを全部使っているという、そういう感覚に近いですかね。音素材は基本的に有料で公開されてるんですけど、いざそのまま使ってるところを見た時に、ああそういうものなんだなぁと思いましたね。

好きな人は増える一方



――今は絵と音楽の比率は自分の中でどれくらいだと思いますか?
まさみティー:今現在ですか!?(笑) ……最近の生活はすっかり絵が9くらいになりつつ……(笑)。イベント出るたびに漫画レポ描くのが趣味なんですけど、それ以上に絵を描くのが好きになってしまったので。でも好きな絵かきさんもどんどん増えちゃって、会う人数が際限なく増えていってしまったので最近はちょっと描けなくなっちゃいましたが……。


――例えばどんな絵かきさんがお好きですか?
まさみティー:今フォローしてめちゃくちゃリプライしまくってるのはHANさんっていう絵かきさんですね。twitterのTLを見るとけっこうひどいことになってると思うんですけど(笑)。……ホモじゃないですよ!ホモじゃないですよ!!


――東方の手描き動画は見られてますか?
まさみティー:めちゃくちゃ見てますね。とは言っても昔ほどではないですけど……見たいのもあって溜めちゃってたりするんですけど。今必ず見てるのは「つちぐもとはしひめ」*40とか。


――私が以前葛の葉さんインタビューの予告版ペーパーを持っていったときに、一番喜んでたのはおそらくまさみティーさんでしたね(笑)。
まさみティー:本当ですか(笑)。


――エビゾメさんが「ありがとうございますー」って言ってる横で、まさみさんをふっと見たら、「おお…!」って目を見開いてぷるぷる震えてらして。
まさみティー:そうでしたかね!(笑)。最初はエビゾメに勧められたんですよ。妖の初期あたりから見始めたんですけど、見ているうちにどんどん絵もうまくなっていくし、今もずっと追ってるって感じですね。エビゾメもずっと好きで、最初のあたりは動画の一番手でコメントしたりしてますね(笑)。


――他にはお好きな動画はありますか?
まさみティー:せっちんさん*41の動画とか……ましおさん*42の動画も 全裸さん*43の動画も……まことじさん*44の動画もそうだし。あ、あと東方四季家*45も見てます! ポンさん*46もそうだし 空ノ雨雲さん*47もそうだしkamSさん*48もそうだし……思い出すときりがないですね(笑)。TLを見てるとどんどん好きな人出てきちゃう。fueさん*49、ご本人さん*50、八白さん*51、まゆげさん*52アオシマさん*53、レイゾウさん*54……モツさん*55神霊廟の動画あげてた。言い出すとキリがないです。音楽PV系の人のもちょこちょこ見てるし……あと、東方有頂天*56の動画も最近見てるんですけど、これも本家の陰陽鉄*57が長い上に派生シリーズも30,40はあるすごい長いのもあるので、結果的に広く浅く状態になってしまっていますね。派生は汚忍蝉*58、そして楽園鉄*59、飼育鉄*60、天子とブロントさんのモンハン生活*61などを見てました。ちなみに主にHANさんの影響です。


――すごい数追いかけてますねー。
まさみティー:あと、作者さんと交流あると、色々影響したりされたりありますよね。私の5枚目のCDで、「メタルっぽい何かのCD」っていうのがあるんですけど。空、幽々子、紫、永琳、フランときて、旧作の魅魔や神綺を入れて、最後に諏訪子っていう、ボスアレンジみたいな面子のCDだったんですけど、その中にボスクリスタライズシルバーと蠢々秋月で、ボスでも何でもないレティとリグルが入ってるんですよね。これはなんでかっというと、当時メッセンジャーで全裸さんと太増夫さんと交流があったからっていう(笑)。


――なるほど、それぞれの方の代表キャラで。
まさみティー:せっかくだからつくってみようかなとノリでやってしまって。気分屋なんでノリでその場その場でやってしまってますね(笑)。音楽を作るにあたって、ストーリーも考えてやってる人もいるのに、私はそういうのとはまた違ってて……どうして今東方という作品で音楽アレンジをやっているのかと訊かれたら、もう思いっきりキャラクター可愛いからって答えちゃいますね(笑)。他にも音楽がいい作品はある中でなぜ東方かと言われると、シナリオが綺麗だったり音楽が素敵というのもあったりしますけど、こんなにハマってるのは東方のキャラが可愛いからじゃないかな!

OPPAI


――オーライフジャパンって名前の由来はなんなんですか?
まさみティー:名前の由来はそんなにないって言ったらないんですが、字の感じが素敵だなーっていうのと、外国人の人が検索しやすい名前っていうのはあります。「オー」が何を指していたのかはもう曖昧になってきていて、今はもうこれおっぱいでいいんじゃねえのと思ってますね(笑)。


――最初から大きめのおっぱいがお好きだったんですか?
まさみティー:そうですね、最初から大きかったですね。ちゃんと最初っから……どれくらい最初っからかなぁと考えるとわかんなくなっちゃうくらい最初っからですね。熟女モノだったかなお姉さんモノだったかな……そういうサイトに足を踏み入れた時に、たぶんハマったんだと思いますわ。顔と同じくらいか、ちょっと小さいくらいだとちっちゃく感じますね。盛った感じがしない!


――まさみティーさんの基準では、あのサイズでもまだ巨乳じゃないんですね。
まさみティー:巨乳ってそういう感じじゃないかなーと思ってますね。私は自分の描くおっぱいのサイズが普通だと思ってるので……。


――あぁ、pixivで描いている絵でも、あれくらいのサイズが普通なんですね。
まさみティー:最近描いてるくらいが自分にとってのちょうどいい巨乳ですね。


――逆に、ぺったんこなのを描く場合は……。
まさみティー:その場合は、なんて言うんだろう……描いてるときに別のことを考えてるか、天子を描いたときかどっちかくらいかなぁ?


――もう天子か、上の空のときじゃないとそれはないと(笑)。
まさみティーメディスンやちっちゃい子も盛ったことはないですけど、それ以外は全部盛るしかないもんな……。


――盛るしかないんですね(笑)。
まさみティー神霊廟のキャラもみんな盛ってます。最近は、胸だけじゃなくて、体自体もおっきくて2メートルくらいある女の人のイラストを描いてる人にハマったりもして。そういう趣味の方なんですけど、その人に影響されて今ではおねショタモノとか追ったりしています。


――なるほど……。
まさみティー:……なんかしみじみこんな話するのも(笑)。自然と胸がおっきいキャラばっかり描くようになっちゃってたなぁ……気がついたら小さい胸の子を描くことがだんだんなくなっていって、描いてるうちに大きくなって、今ではtwipicにあげているこれくらいのサイズがちょうどいいかなって思うようになって。もっと大きくてもいいかな、とまで思ってますね。大きい。大きければそれでよし。はたてはこれでもかなり控えめに描きましたね。


――性癖って最初意識していなくて、突然はたと自覚したりしますよね。
まさみティー:そうですね〜。一番最初に好きになったときは、それの何が好かれるのかって考えないよなぁ……これの何が好きか嫌いか、その基準を持ってると買うものを判断できたり、どういうのを作れば求められるものになるか分かるから大事なところですよね。同人なんかは自分の好きなものでないと活動が続かないですし。巨乳が売れるからって、ロリ好きな作家さんがが巨乳描いても長続きしないし、あまり巨乳好きに求められている作品にならなかったりしますから。そのジャンルが好きな人が、どの要素に重きをおいているのか、その判断ができるのは、やっぱりそれが好きな人だけですからねぇ……思いの外、エロ漫画から作家っぽい話になったぞ。

好きなのを考えよう! 好きなようにやろう!


――それでは、これから作品をつくろうとする人に対して何か一言お願いします。
まさみティー:毎回ありますよねこの質問(笑)。困ったなーうーむ。何かこう「したい!」と思った時にやってみて、将来的にいろんなことを勉強したりして上達すると良いと思うんだけど、なんというか「自分が好きなのはどんなんだろう」という部分ををはっきりさせるのは大切だなぁと思いますね。いやこれ不勉強な上に色々好きな私が言っても説得力ないですけどね!


――好きなことを好きなように、自分の色を出してやってほしいと。
まさみティー:元々プロを目指してるなら別なんですけど、だんだんAmazonで買えるポップスのCDと方向性も同じになってしまうと、もしかしたら商業CDしか聴かなくなっちゃうんじゃないかなって気がして。私も同人CDってそれなりに買っているんですけど、ここでしか聴けないものを聴きたいなぁと思って手を出したりしてるのはあります。同人誌でも、商業誌で見られない方向で好みのものになると、あまり上手くなくても喉から手が出るほど欲しくなりますし。神主の音楽なんかはまさに同人でしか聴けないインスト音楽ですね。ええとなんだか完全に私の好みの話になっちゃってて申し訳ないですけど(笑)、そんな感じで、そういう自分の好きなのを自分の形にして、その人でしか聴けない、見れない良さみたいなのを目指して、しっかり活動したりしてくれると嬉しいなぁと思ったりしちゃうなぁという感じで、ひとつどうぞよろしくお願いします(笑)。

――ありがとうございました。長いこと、お疲れ様でした!


第11回は、『無茶振り東方4コマ』を始めとする、4コマ動画作者・ポンさんが登場予定!乞うご期待!

*1:デスクトップミュージック。パソコンのシーケンスソフトの譜面に音を置いたり、あるいはPCと接続した電子音楽機器を演奏するなどして、パソコン上で再現された音楽のこと。

*2:1981年より日本電気から発売されたパソコンシリーズ。グラフィックやCPU負荷、サウンド面が強化されており、PCゲームをプレイするホビー志向のパソコンとして多くのユーザーに親しまれた

*3:フリーウェア・シェアウェアゲーム制作グループ。PC-9801を対象に、自分たちの作りたいものを作るというスタンスで、様々な傑作ゲームをを生み出した。後にたまごっちの開発に携わる黒柳陽子氏、ニコニコ動画システム開発を行った戀塚昭彦氏など、錚々たるメンバーが集っていた

*4:コンパイルより発売された落ち物パズルゲーム、ぷよぷよシリーズの第2弾。相手のおじゃまぷよの相殺が可能、全消しすることでボーナスがもらえるなど、前作から多数の追加ルールが設定され、シリーズの基礎を形作った人気作品。アーケード版を始め、PC-9821版、メガドライブゲームギアプレイステーションゲームボーイなど数多くのハードに移植されている

*5:フリーゲーム。1997年公開。制作は佐伯俊道氏。シンプルながら手堅いゲーム性と難易度、音楽の完成度で、当時のシューティングゲーマーを魅了した傑作。最近でもバージョン更新が行われており、2011年にはiphone版が公開された

*6:フリーゲーム。制作はKO-TA氏。美麗なグラフィックと高い難易度が特徴の弾幕系シューティング

*7:フリーゲーム。SITER SKAIN制作。1999年の冬コミで頒布され、自動照準など独自のシステムを取り入れた高いゲーム性に、大きな話題を巻き起こした

*8:音系・映像・マルチメディアを中心とした同人即売会。オリジナルをはじめ、カバーやパロディ、生演奏など、音楽に関するものをすべて包括する一大同人イベントである

*9:同人音楽サークル。代表はARA氏。同人音楽サークルとしては長くに渡って活動しており、オリジナル音楽のほか、近年は東方アレンジやvocaloidのジャンルでも作品を発表している。オーケストラ調の音楽に定評がある

*10:イラストレーター、同人作家。『終わりなき夏 永遠なる音律』などのアダルトゲームの原画を手がけるほか、東方を中心に同人誌や同人ゲームの制作も行なっている

*11:舞台作品の一つ。アイリッシュ・ステップダンスという足の動きのみを使う舞踏を下敷きに、アイルランドの伝承や、歴史、様々な民族との交流といった物語を表現する。元はヨーロッパ全土で開催されるユーロビジョン・ソング・コンテストの幕間のつなぎとして行われた、短時間のパフォーマンスだった

*12:アイルランド系の人々の手による楽曲。伝統音楽としては比較的新しいジャンルによって構成されており、ダンス曲などが中でも活発なジャンル。生活に身近な音楽でもあり、近所のパブにて自前の楽器を持ち寄っての演奏会が行われるのも日常茶飯事である

*13:白人音楽と黒人音楽が融合することによって生まれた、音楽ジャンルの一つ。ボーカルを中心とした激しく派手なサウンドが特徴で、権力に対する反抗など、カウンターカルチャーとしての側面も持つ。現在は一般音楽としても広く浸透し、派生音楽も多岐にわたる

*14:古典的な音楽。世間一般では、西洋の芸術音楽を指すことが多い

*15:精密な技術を必要とする西洋音楽と、アフリカ系アメリカ人たちの音楽感性が結びついて生まれた音楽ジャンル。1900年頃、ニューオーリンズで誕生したと言われる。即興性の強さや、掛け合い演奏などから、演奏者の実力に大きく左右されるとされる

*16:広義では、電子音楽の総称。生楽器を取り入れたモノ、電子音のみで演奏するモノ、クラブミュージックなど、包括されるジャンルは数多い。狭義では更に定義の難しいジャンルであり、ニコニコ大百科においても、説明のめんどくさい音楽ジャンルとしてあげられている

*17:2、4拍目を強調したリズムが特徴の音楽ジャンル。ジャズ音楽の影響からジャマイカで発祥した音楽であり、ジャマイカ独立と時を同じくして、大きく発展した

*18:スクウェア・エニックスより発売されているRPGシリーズ。初代はファミコン初の本格RPGとして発売され、マップ移動や、対面型のバトル画面など、後の日本製のRPG指向に大きな影響を与えた

*19:ブラジル音楽の一つ。伝統的音楽を元に、当時の若い世代達の好む洗練されたサウンドに発展させたもので、本来はサンバの一種。国内において急速な勢いでポピュラー化が進み、アメリカでもブームを巻き起こした

*20:ジャマイカで発生した音楽ジャンルの一つ。スカやロックステディなどから発展しつつ、ジャマイカのフォーク音楽やリズム・アンド・ブルース、マーチなど、多種多様な音楽から影響を受けて今日に至る。社会批判や反抗を強く盛り込んだ歌詞でも知られる

*21:文化の一つ。ミュージシャンのアフリカ・バンバータによる造語であり、当時のDJ達の活躍により、ニューヨークのブロンクス州で行われていたパーティコミュニティから音楽として広がった。ラップ、DJ、ブレイクダンス、グラフィティの四大要素を掲げる

*22:楽家。アルバムに『婦人用』『ただいま』など。「ジャズ歌謡」「ヤサグレロック」などど自ら呼ぶ、ハイテンションな曲調でありながら、女性の執念や悲哀を感じさせる歌詞を綴った楽曲を多く歌っており、そのギャップの強い音楽性からファンからはポガティブなどと称されることも。女性を中心に共感を集めていたが、2008年に突然の廃業宣言を発表。同年の全国ツアーを最後に宣言通り、音楽活動を終了した

*23:ロックバンド。ビジュアルやメタル、パンクや歌謡曲など、様々なジャンルから影響を受けた曲作りが特徴で、ファンの間では歌謡ロックなどと呼ばれることも。激しいライブパフォーマンスにも定評がある

*24:ヘヴィメタルの略。ロックから派生した音楽ジャンルの一つで、重低音を重視したギター音や、時にシャウトを含む叫ぶような歌い上げ、全体的に速いテンポの楽曲などが特徴としてあげられる。日本では聖飢魔IIやXJAPANなどの人気から、外見的特徴が先にイメージされることも多い

*25:プログレッシブ・ロックの略。従来のロックとは異なる、新たな音楽表現を生み出そうとした楽曲やバンドを総称するジャンル。定義が存在するわけではなく、何を持ってプログレとするかは難しい。60年代後半から大きく発展した

*26:イギリスのロックバンド。オーソドックスなロックでありながら、ブルースやサイケデリック・ロックなど、様々な音楽を混ぜあわせた音楽性と、文学的・哲学的な歌詞世界を併せ持つ。

*27:イギリス出身のロックバンド。楽曲に『抱きしめたい』『涙の乗車券』など。恐らく地球上で最も有名な音楽グループ。

*28:イギリスを代表するロックバンド。メインボーカルであったフレディ・マーキュリーが亡くなった現在も精力的に活動している人気の衰えぬロックバンド。メンバーそれぞれの色が出た、バラエティに富んだ楽曲群が特徴

*29:アニメ作品。魔法少女リリカルなのは異世界ミッドチルダからこの世界に散らばった『ロストロギア』を回収するために魔法少女となった小学生・高町なのはの冒険と戦いの物語。18禁PCゲーム『とらいあんぐるハート』の番外作品『りりかるおもちゃ箱』の収録エピソードを原作とした、いわばスピンオフのスピンオフといえる作品だが、現在は三度のアニメ化を始め、数多くのメディアミックスが展開される人気シリーズになっている

*30:漫画家。千道万里とえばら渋子のユニット名であり、シナリオやネームこそ分かれているものの、打ち合わせや作画などは共同で行うスタイルで活動している。代表作に『ローゼンメイデン』『しゅごキャラ!』など

*31:電子楽器デジタルインタフェース(Musical Instrument Digital Interface)の略称。メーカーの異なる電子楽器同士であっても、連動して使用出来るように制定された、演奏データの世界共通規格。MIDIの制定は、パソコンの普及と相まって、音楽制作の一般化に貢献した

*32:ソフトウェア・シンセサイザーの略。専用のハードウェアでしか再現できなかった音源を、コンピュータ上のソフトウェアによって再現できるようにしたモノ

*33:Macintoshの略称。アップル社が開発・販売しているパーソナルコンピュータ。デザイン・音楽・映像の分野で活躍するアーティストに愛好者が多い

*34:Digital Audio Workstationの略称。音声の録音、編集、ミキシングなど、音楽制作において必要な行程をデジタル化し、一つのソフトでまかなえるように設計されたソフトウェア

*35:音楽ジャンルの一種。かつての家庭用ゲームに搭載されていた、制約の多い電子音をあえて用いて制作された音楽の総称。ピコピコしたファミコン風の音が特徴

*36:絵師。サークルSYS-LILA代表。オーライフジャパンのジャケットイラストを担当している。まさみティーさんとは一卵双生児の兄弟で、本人曰く2Pカラーのような外見とのこと

*37:同名漫画を原作とするTVドラマ。馬鹿正直のナオとあだ名されるほど、他人に嘘がつけない少女・神崎直と、天才詐欺師・秋山深一。現金争奪嘘つきゲーム『LIARGAME』に挑んだ二人の、数多の曲者達と繰り広げる頭脳戦を描くサスペンス・ドラマ

*38:音ゲーbeatmania』の楽曲『Second Heaven』の空耳ネタ。実際には、「somebody screams!」と叫んでいる。

*39:TVドラマ。脱サラして念願の刑事となった青島俊作が、規律や確執の根強い警察組織の中で仲間とともに成長し、犯罪者達と相対する姿を描く刑事ドラマ。劇場版やスピンオフ作品も多数存在する人気シリーズ

*40:東方手書き動画。作者は葛の葉さん。幻想郷で巻き起こる異変に、密かに首を突っ込んでいたヤマメやパルスィ率いる地底の妖怪たちの珍道中を描く。

*41:東方手書き作者。代表作に『八雲系』『永遠体』など。歯に衣着せぬ会話劇と、心地良い気だるげなストーリーが持ち味。ハイライトの一切ない瞳が特徴で、よくサムネだけで特定される

*42:東方手書き作者、同人作家。代表作に『東方痩白岩』など。原作の様々な設定を散りばめた、手に汗握るバトル描写に定評がある。ジョジョの奇妙な冒険の愛読者でもあり、作中でもよくパロディが描かれる

*43:東方手書き作者、同人作家。代表作に『東方ゾンビ祭』など。ナチュラルに服が剥けるなど、突っ込みどころ満載なままに進行するシュールなギャグストーリーが特徴。同人誌においてはロリな18禁モノを多数執筆

*44:ニコニコやpixivで活動している絵師の一人。ニコニコでのアカウントはmakotoji。投稿スピードの早さと、秀逸なセリフ回しに定評がある。現在は、ニコニコ漫画にて『一億返済日記』を連載するなど、専業漫画家としても活動中

*45:東方手書き動画。原案・おがくず氏、作画・喇叭氏。『四季』映姫と小町を両親に持つ、レティ、リリー、幽香、静葉と穣子の四(?)姉妹の日常を描く。いわゆる東方キャラに現代劇をやらせてみた作品の代表格

*46:東方手書き作者、同人作家。代表作に『元々シュールな東方4コマ』『東方無茶ぶり4コマ』など。きっちり予想の斜め上を行く、安定感のあるギャグ4コマを一貫して描く。東方見聞録第11回に登場予定!

*47:東方手書き作者。ニコニコ動画とpixivにて、喋らない霊夢の日常を綴った『東方日記』シリーズを投稿している。見聞録第2回に登場していただいた

*48:東方手書き作者。代表作に『八意式健康術』『御伽話を聞かせてよ』など。幾多のモチーフが挿入された、シュールかつ哲学的な映像は、東方超級者向けと称されることも

*49:東方手書き作者、同人作家。代表作に『パンパカパンツ』シリーズなど。静岡で放送されている某CMをパロディした上記動画で注目を集める。パンツいっちょなデフォルメ絵が特徴的。

*50:東方手書き作者。可愛い絵柄とは予想もつかない起承転結を盛り込んだ4コマ動画を制作。勇儀とキスメのカップリングが一押し。

*51:東方手書き作者。代表作に『東方最終回』『探偵・東風谷早苗 紅魔館の殺人』など。作詞でも活動しており、でっち氏とのボーカロイドユニット『人工モノクローム』の他、東方ボーカルアレンジ曲などにも多く詞を提供している。また、本来の創作ジャンルは小説であり、pixivではちっちゃな『うにゅほ』と『俺』の日常を描いた『うにゅほとの生活』を毎日更新中

*52:東方手書き作者。代表作に『ntcr』シリーズなど。緩急の心地良い物語性、伏線のさりげない貼り方など、高いストーリーテリングを発揮する作者さんで、手書き作者の間でもファンが多い

*53:東方手書き作者、同人作家。代表作に『[東方手書き]紅魔館の賢者』『[東方手描き]暴みょん坊将軍〜神・霊・体・験〜』など。淫獣なぬえや、過剰に布面積を減らしたアレンジ服などに定評のある、台湾人紳士の代表。声優・能登麻美子の大ファン

*54:東方手書き作者。代表作に『情熱の短いイミフ東方小劇場』など。日本のネタを多分に取り入れたお話を描くことから、よく国籍を疑われる台湾人手書き作者。現在留学生として埼玉に在住中

*55:東方手書き作者。代表作に『東方4コマ物語』『秋姉妹物語』など。むっちり可愛らしい絵柄と容赦のないギャグのギャップに定評あり。

*56:ブロントさんネタに東方projectを組み合わせた動画の呼称。ブロントさんが幻想入りするものから、いわゆるブロントさん化した天子、ブロン子を扱ったものまで様々。純粋な東方動画とは雰囲気の異なる、独自のジャンルとして発展している

*57:東方有頂天動画の一つ。突然幻想入りしてしまった伝説の剣士・ブロントさん。混乱もつかの間、新たに起こる異変を解決すべく幻想少女達と共に奔走する姿を描いた冒険ストーリー。RPGツクールで制作されており、ブロントさんネタやネトゲネタなどがふんだんに盛り込まれた世界観が特徴である

*58:東方有頂天動画の一つ。東方陰陽鉄の世界観をブロントさんネタお馴染みのキャラである汚い忍者の視点から描いたストーリー。水橋パルスィとのコンビが人気であり、パル忍は俺の汚い嫉妬という組み合わせまで作られるほど

*59:有頂天動画の一つ。幽香及びブロントさん達が、島を統治するシミュレーションゲームトロピコを遊ぶ姿を描いたプレイ動画。徐々に幸福を強制する恐怖政治にシフトチェンジしていくことから、タイトルとは真逆の東方煉獄鉄というタグがつけられることも

*60:有頂天の一つ。ブロントさんと小悪魔が、進化と文明の発展を体験するシミュレーションゲーム・SPOREで遊ぶ姿を追ったプレイ動画。空気の読めない衣玖さんや邪神な諏訪子によって、一筋縄ではいかないカオスなプレイ模様が繰り広げられる

*61:有頂天動画の一つ。イヤンクックが倒せない天子を見かね奮戦する、ブロントさんの狩り生活を追ったモンハンプレイ動画