第4.5回 やむオチ見聞録 〜ヨエコスキーさん編〜

第4回のヨエコスキーさんのインタビューにおいて、カットした部分でございます。インタビューとはあんまり関係ない、盛り上がりすぎたトークパートとなっております。わかるひとにしかわからない内容だと思うので、ご注意ください。

地方民トーク


(前略)


──私も、ヨエコスキーさんの動画がキッカケで好きになりました、倉橋さんの曲。
ヨエコスキー:今ではCDもそんなに見かけないですけどね…。四国はあれですよ、浮遊大陸ですから? やっぱり空輸が間に合わないんですよね〜(ヤケクソ)。


──(笑)。 私も、九州は海底王国なので、物資運搬の潜航艇が水圧に耐えきれなくて…。
ヨエコスキー:ゲホッケホッゲッホ!!!


──大丈夫ですか!?
ヨエコスキー:はい、大丈夫でず(笑)。飲物を呑みますね。……いやー本州遠いですよね!


──遠いですよ! 物資が全然届きませんし。
ヨエコスキー:ですよね…。

 
──墓参りに行くとき、本土最西端の駅の石碑がありますし*1
ヨエコスキー:ひどい(笑)。


(後略)

アフタヌーントーク


(前略)


──山本さんと言えば、『RED』という作品も連載されてますよね。
ヨエコスキー:あぁはい。いやー『RED』は凄いですよ!


──私も初めて読んだときは学生運動とかよく知らなかったんですけど、登場人物に付いている番号が死の順番と知ったときはびびっときました。モーニングとかアフタヌーンには良い漫画多いですよね、『百舌谷さん逆上する』とか。
ヨエコスキー:あれは描いている人が凄いですよね。

百舌谷さん逆上する 1 (アフタヌーンKC)

百舌谷さん逆上する 1 (アフタヌーンKC)

他者への行為を、自己の感情に反した攻撃的な言動で表現してしまう人格障害『ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害』、通称「ツンデレ」の病を持つ少女・百舌谷さんの物語。感情と相反する自分の行動に葛藤する百舌谷さんを軸に、人との触れあいそのものを深く掘り下げた濃密なストーリーが巻を重ねるごとに進行していく。


──単行本で読んでるときは、凄すぎて頭の中グチャグチャにされて、吐きそうになりました(笑)。
ヨエコスキー:基本コメディですけど、時折はさまれるシリアスシーンが効いてますね。


──コミュニケーションについてとことん突っ込まないとあんな作品出来ないですよ。
ヨエコスキー:アフタヌーンは良い漫画多いですね。なんでもかんでも、斜めから見てる感じの漫画が多いです。『おおきく振りかぶって』とか今はメジャーになっちゃいましたけど、今までの野球漫画とは全然違いますし。

おおきく振りかぶって (1)

おおきく振りかぶって (1)

西浦高校野球部のピッチャー・三橋 廉とその仲間達の活躍を描く青春野球漫画。メンタル面や試合ごとの心理戦を大きく描いているのが特徴。手塚治虫文化賞を始め、各方面で高い評価を受けている。


──可愛い感じですよね。
ヨエコスキー:そうなんですよね。登場人物の掘り下げみたいなのが、ほとんどセリフとかそういうのでされてるので、そういうのも斜めから見てるのかなぁと思いました。じっくり描かれていますし。


アフタヌーンだと、あと読んでるのは『友達100人できるかな』ですね。
ヨエコスキー:ああ、大好きです(笑)。


──とよ田先生の作品は、『ラブロマ』が元々好きだったんですけど、あれも凄いですよね。
ヨエコスキー:『ラブロマ』は良い漫画でしたね。純愛ものが好きなので、ああいう馬鹿な主人公は好感が持てます。

友達100人できるかな(1) (アフタヌーンKC)

友達100人できるかな(1) (アフタヌーンKC)

突如地球に来襲した宇宙人。彼らの掲げる侵略を中止する条件「地球人に愛が存在することの証明」=「100人の友達を作る」ために、少年時代を過ごした1980年代のパラレルワールドで奔走することになる主人公・直行の物語。毎月1人友達を作っているのが特徴で、単純計算では完結に8年を費やすことが予想されるが、なんだか本当に達成できそうな順調さで現在も連載は進行中。


ラブロマ(1) (アフタヌーンKC)

ラブロマ(1) (アフタヌーンKC)

全五巻。ドがつくほど真面目な男の子・星野君と、元気でつっこみ体質な女の子・根岸さん。はたから見るとヘンテコで、デコボコで、マイペースで、でもぴったしお似合いのカップルの、温かい日常を描いた青春コメディ。


──なんでもかんでも正面から真面目に考えてるのが凄いですよね。『友達100人できるかな』も100人行きそうですし、待ち遠しいです。
ヨエコスキー:最近出来たgood!アフタヌーンでは、空手漫画の『鉄風』っていう漫画が気になってます。


──自分も第一話だけ読みました。主人公の女の子が、主人公なのに悪者っぽいんですよね(笑)。野獣っぽい感じで。
ヨエコスキー:はい(笑)。ドSなんですよ、あの子は。

鉄風 1 (アフタヌーンKC)

鉄風 1 (アフタヌーンKC)

あらゆるスポーツを簡単に体得してしまう生まれながらのスポーツの天才・石堂夏央。ブラジルからの帰国子女で総合格闘技部を立ち上げた馬渡ゆず子。充実してる人間を憎むひねくれ者の大女と、純粋に格闘技を楽しむ少女の出逢いから始まる、新たなる本格格闘技漫画


──good!アフタヌーンの作品だと、『純潔のマリア』『ハルシオン・ランチ』『夏の前日』は単行本買いました!
ヨエコスキー:『夏の前日』は作者さんの前作の『恋風』が好きで、読んでますね。

純潔のマリア 1 (アフタヌーンKC)

純潔のマリア 1 (アフタヌーンKC)

百年戦争中のフランス。圧倒的な力を持ちながら、聖女の名をもち、しかも処女を未だに捨てられないでいる魔女・マリアの数奇な物語。石川雅之がそれまで描いてきた、歴史的・伝奇的な物語(『人斬り龍馬』『カタリベ』)と、コメディ主体の物語(『もやしもん』『週刊石川雅之』)が掛け合わされた、氏の集大成のような作品。
ハルシオン・ランチ 1 (アフタヌーンKC)

ハルシオン・ランチ 1 (アフタヌーンKC)

あらゆる物質を際限なく一瞬で喰ってしまう謎の少女・ヒヨスと、運悪く彼女と出逢ってしまったホームレス・化野元と、何故だか彼らと行動を共にすることになるメタ子。ヒヨスに振り回されっぱなしの彼らのはちゃめちゃな日々を描くシュールコメディ。
夏の前日 1 (アフタヌーンKC)

夏の前日 1 (アフタヌーンKC)

大学で絵画に没頭しつつも日夜悩み続ける青年・青木哲生と、ひょんなことから彼と深い仲になる年上の女性・藍沢晶の、せつなく、もどかしい恋を描く。作者のデビュー作、『水と銀』の前日譚にあたる物語。

恋風 1 (イブニングKC)

恋風 1 (イブニングKC)

左伯耕四郎と小日向七夏。実の兄妹である二人の恋を確かな筆致で描いた、恋愛漫画。タブーとされがちな内容でありながら、アニメ化もされている。


──あの作品も凄いですよね、創作をしている人間がよむと、クる漫画です。
ヨエコスキー:トーンをあまり使わないで、ペンでやってるんですよね。あの描き方が凄い好きです。心理描写がえげつないところもありますけどね。


──主人公二人も不器用なのがすごく可愛いし、あと、エロイシーンもごちそうさまですし(笑)。
ヨエコスキー:ごちそうさまでした!(笑)。単行本は友達のところで読んだんですけど……やっぱり買おうかな(笑)。


──『ハルシオン・ランチ』はギャグですけど、いちいちえげつないですよね。
ヨエコスキー:人間の掘り下げ方がいいですねぇ。


──メタ子*2可愛いよメタ子!
ヨエコスキー:メタ子可愛いよメタ子!


(後略)



(2010年6月14日収録)
(文責:げんきゅー)
(東方見聞録企画人げんきゅーは、変わらず変わり続ける漫画雑誌『アフタヌーン』を応援しています)

*1:厳密には、現在は沖縄にモノレールが走っているためかつての最西端となっていますが、当時の表記は変わらず残されています

*2:ハルシオン・ランチ』のキャラクター。19歳。そもそもは使い捨てのモブキャラであり、名前も適当なネーミングのものがそのまま使われているが、レギュラーの位置を確立すると共に、数少ない常識人として、主人公一行になくてはならない存在となっている。元不良かつ科学オタクだが、根はいい娘。兄の面影を持つ化野に惚れている。ある意味もう一人のヒロイン